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突然の背中の激痛は、腰痛じゃなく重大な病の危険性あり

上半身の危険シグナル その症例&正しい対処法

前回は上半身に起こりうる様々な不調と病気の兆候を解説した。 今回は、なかでも重篤になりそうなシグナルの詳細を、再び現役医師で医療ジャーナリストの森田豊さんの解説を交えて見ていこう。

頭痛

 

 危ない頭痛以外では、「片頭痛」と「緊張型頭痛」が頭痛の代表格
 自分がどのタイプなのかを見極めることが肝要 

 風邪に眼精疲労や二日酔い…、まさに、〝頭痛の種〟はたくさんある。 「最も危ないのは、経験したことがないような激しい頭痛を感じた場合です。これはくも膜下出血や脳出血、脳腫瘍や髄膜炎の可能性があります。すぐに救急外来を受診してください」。
 このような頭痛は『二次性頭痛』で、脳内で重大な異変が起こっている証拠。痛みがだんだんと大きくなり、手足の痙攣が生じるといった症状を併発していると生命の危険性がある。自分で何とかするのではなく、すぐに医療機関での処置が必要だ。
 一方で、特に原因が思い当たらない頭痛を感じることもある。 「主に2つに分けられ、片側がズキンズキンと痛み、数時間から3日間ほど続くのが〝片頭痛〟。頭の両側が締めつけられる痛みが毎日続くのは〝緊張型頭痛〟で、2つは『一次性頭痛』と呼ばれます。これらはストレスなどの心理的、社会的要因が影響しています」。
 主に、片頭痛は脳を取り巻く血管が拡張することで、緊張性頭痛は頭部の血管が収縮することで発生する。
 片頭痛は血管収縮作用があるカフェイン入りの飲料を飲んだり、痛む部分を冷やせばいい。逆に緊張性頭痛は肩や首を軽く動かしたり、温めたりして血行を促すと軽減される。対処が全く逆なのだ。
 自分が感じている頭痛が、どのタイプなのかを見極め、適切に対処する必要がある。  

危険な「頭痛」チェックリスト
□ 痛みがどんどんひどくなる
□ これまで経験したことのない激しい痛みがある
□ けいれん、しびれが生じている
□ 熱が出て、首の動きが悪くなる

 どれか一つでも当てはまる場合は、危険な頭痛だと判断していい。命に関わることもあるので、早急に救急外来を受診すること。 

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森田 豊

もりた ゆたか

医師・医療ジャーナリスト

医学博士。秋田大学卒業後、東京大学大学院医学系研究科を修了。東大病院助手やハーバード大学専任講師の他、いくつかの大病院で医長や部長を務めた。診療科を問わない医療解説や問題に取り組む現役医師、医療ジャーナリスト。


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